素晴らしき哉、我が人生

自分の半生と考えを書くブログです

特定外来生物ロブスター

小学3年生の時の話だ。

 

友人と書道の習い事が終わった後に裏山に遊びに行った。

ひょうたん池と呼ばれる小さな池があり、ザリガニをとることにした。

一度網ですくうとザリガニが5,6匹は入っており、その日は全部で50匹くらい捕まえた。

 

その中に一匹だけ群を抜いて大きなアメリカザリガニがいた。

その大きさのあまり、自宅に持ち帰り母親の携帯で写真を撮ったのを覚えている。

当時自分が履いていた上履き(多分20センチくらいだと思う)と並べて写真を撮ったといえばなんとなく大きさを想像してもらえるだろうか。

その大きさは私に伊勢海老を思わせ(今思うと全くそこには匹敵しないが)彼のことをロブスターと呼んでいた。

 

彼を自宅の水槽で飼っていて私たち家族は思った。

ここはこいつが暮らすには狭すぎると。私もこれには同意見で、逃がしてやることにした。

しかし当時こいつを捕獲したひょうたん池は時期によって水を抜くことがあり、彼が今後の生活を送るにはいささか不安であった。

そこで小学校のグラウンド横にあった田んぼの用水路に彼を放した。

私は思った。達者に暮らしてくれ。

 

 

そこからしばらく過ぎて、休み時間の終わりにクラスの同級生が小さな水槽を教室に持ち込んできた。(なんとなくお分かりだと思う)

そこには彼がいた。ロブスターである。あの大きさ。間違いない。

クラスメイトに囲まれて一躍人気者になっていた。

思うところはあったが、私が何か言う権利もなく黙っていたのを覚えている。今思うと大人な対応だったなと思う。

 

彼が最終的にどうなったのかを私は知らない。

そのまま狭い水槽で子供の純粋な残酷さにやられてしまったのだろうか。

今思い返すと、それはジュラシックパークキングコングの様だなと思った(どちらの映画もきちんと観たことはない。完全に想像である。)

こっそり放課後にでも彼を持ち出し、自然に返してあげることができたなら私は映画の主人公であったが、クラスメイトからのバッシングを考えるとそれを行動に起こすことはできなかった。

 

 

この話にはオチはない。

 

アメリカザリガニは近年特定外来生物に指定され、2023年から規制が始まる可能性があるらしい。規制されると他の特定外来生物のように生きたまま持ち帰ったり、ほかの地域に放流することは禁止される。

そんな話を聞いて彼のことを思い出しただけである。