素晴らしき哉、我が人生

自分の半生と考えを書くブログです

社会科土下座見学、移動土下座教室

人生で初めて土下座をみたのは小学校三年生、人生で初めて土下座をしたのは小学校六年生の時である。

 

小学三年生の時、社会科見学でお台場まで行った。

科学技術館をみんなで見た後、観光船に乗ってお台場近辺を周遊するという流れだったと思う。

 

科学技術館を巡り、昼食を済ませ観光船の船着き場に到着すると、係の人と先生たちがなにやら言い争いをしていた。

話を遠くで聞いているとどうやら向こうの手違いで上手く予約が取れていなかったらしい。このままでは100人近い生徒たちは船に乗れないようだった。

 

とにかく激怒していたうちのクラスの担任は

「とにかく子供たちに謝ってください!!」

と若い男性の係の方に詰め寄っていた。

 

その後班ごとに体育座りをして空いたスペースに待機している僕らの前に彼はやってきた。すでに半泣きだった。

彼は僕らの前に膝をつき自分の誤りで船に乗れないことを頭を下げて謝った。

正確には土下座とまではいかないのかもしれないが、おそらく今の自分と同じくらいの年齢の男性が、たかだか10歳の子供に膝をつき頭を下げるというのは、非常に苦しい行動だったと思う。ミスをしたとはいえよくやったよ君は。

 

当時も翌日に友達と「あそこまでしなくてもいいよな」と話し合うほど僕らはそれをされて困惑していた。正直引いていたのである。今思い出しても先生、そこまでさせる必要はなかったですよ。されて困るのは生徒です。

その後どんな不思議な力が働いたのかは知る由もないが、僕らはほかの小学校の生徒たちと相乗りで船に乗ることができた。

その日は雨が止むことはなかった。

 

 

時は経ち、小学六年生。移動教室で私たちは日光に来ていた。

クラスの男子は2つに部屋を分けられており、夕食をみんなで食べお風呂に入った後、少しずつ寝る準備を始めるところだった。

当然のことだがみんなではしゃぐ。枕投げをしている途中で先生が急に私たちの部屋に入ってきて私たちを大声で叱った。

その時入口付近におり、幸いにして先生の目を逃れた私はこれは好機と思い、そっと部屋を抜け出した。

そして少し離れた部屋に行きトランプを楽しんだ。

 

ひとしきり遊び終えて部屋に戻ると、クラスの男子はとにかく怒っていた。一人説教を逃れて遊んでいたのだから当然であろう。確かに悪いなとは自分でも思った。

 

怒りの収まらないそのうちの一人から土下座をしろと言われ、私は人生で初めて土下座をした。しっかり畳におでこをつけた。

あの時の屈辱は今でも忘れられない。そして社会科見学での彼の気持ちが痛いほどわかった。

土下座というのは自分のプライドの全てを捨てる行動である。

 

私は社会人になり、半沢直樹に触発され銀行員の営業として働いたこともあったが、もちろんそれ以来土下座をしたことも、されたこともない。

 

ただ平謝りをするだけである。